ハードウェアはソフトウェアと違い、現実世界での物理的なモノとして存在します。
そのため、適切な補足、注釈を入れることでより効率的で高品質なモノづくりを行うことが可能になります。
例えば、
寸法:縦〇cm×横△cm×厚さ■cm以内とし、なるべく小型にすること。
と言う書き方をするよりも、
寸法:縦〇cm×横△cm×厚さ■cm以内とする。
本製品は主として壁付けで設置するもののため、厚さを優先して小さくなるよう設計すること。
と記載したほうが、寸法の範囲内でより薄く、壁付けしても目立たないように設計が進むことが想定されます。
同じ「小型にする」でも、上記のように壁付けにするのか、それとも冷蔵庫と食器棚の間の隙間のようなところに入れるのか、あるいはウェアラブル端末のように使うのかによっても、小型にするポイントが異なってきます。こういった事柄は製品概要でも記載するポイントとなりますが、なるべくハードウェア開発担当者が容易に想像しやすいように、細かく補足を入れながら仕様書を記載することが大事なポイントとなります。
また、壁付けと隙間に入れるのでは、「薄く作るから同じじゃん」と思われるかもしれませんが、LEDなどをつける場合には異なります。壁付けの場合には、LEDは縦×横の広い面に配置されるわけですが、隙間に入れる場合には厚さ方向のわずかな隙間にLEDを配置しなければならなくなります。こういった情報を先にインプットする場合と、後からインプットした場合では、
・LEDの部品選定の工数
・プリント基板の設計工数
と言った部分で手戻りが発生し、余計な開発費と工期が必要となってしまいます。
ハードウェア仕様書には、手書きレベルのラフスケッチや手書きのスキャンでもよいので、想像する外形も添付すると、開発がよりスムーズに進むことが想定されます。